カフェインといえばコーヒーのイメージが強いですが、お茶もカフェインを含む飲み物です。
以下は、日本茶を含む主な飲み物に含まれるカフェインと、タンニンの量を表にしたものです。
カフェイン (100gあたり) |
タンニン (100gあたり) |
浸出方法 | |
---|---|---|---|
玉露 | 160mg | 230mg | 茶 10g / 60℃ 60ml、2.5分 |
煎茶 | 20mg | 70mg | 茶 10g / 90℃ 430ml、1分 |
ほうじ茶 | 20mg | 40mg | 茶 15g / 90℃ 650ml、0.5分 |
番茶 | 10mg | 30mg | 茶 15g / 90℃ 650ml、0.5分 |
玄米茶 | 10mg | 10mg | 茶 15g / 90℃ 650ml、0.5分 |
コーヒー | 60mg | 250mg | コーヒー粉末 10g / 熱湯 150ml |
紅茶 | 30mg | 100mg | 茶 5g / 熱湯 360ml、1.5分 |
ウーロン茶 | 20mg | 30mg | 茶 15g / 90℃ 650ml、0.5分 |
※日本食品標準成分表 2015年版(七訂)より
表にある「浸出方法」で抽出した液体中の含有量です。
たとえば、玉露と煎茶の浸出方法にかなりの差があります。仮に同じ淹れ方をすれば違った結果になる点には注意が必要です。
緑茶やコーヒーの苦み成分でもあり、眠気を防ぐ覚醒効果があるカフェイン。
適量であれば安全で、心と身体に嬉しいメリットも多いカフェインですが、特に妊婦の方や授乳中の方、小さなお子様は一日の摂取量に注意するべきといわれています。
また、緑茶の渋み成分タンニン(カテキン)も様々な健康効果が報告されていますが、一方で鉄と付着する性質があるため、特に貧血になりやすい妊婦の方は摂りすぎないほうがよいとされています。
ここでは、カフェイン・カテキンの含有量が少ないお茶をピックアップいたします。
実は、地方によって茶葉の仕上がりが異なる「番茶」。ここ京都の「京番茶」は、大ぶりの茶葉を揉まずに釜で炒ったものです。
煙を巻き込んで作られるため独特の薫香がありますが、カフェインやカテキンをほとんど含まず、さっぱりとした素朴な味わいです。
京都の日常茶として長く愛されています。
ティーバッグで手軽に飲める京番茶シリーズ「平安京のおばん茶どす」。葉番茶をベースに、焙煎香の強い番茶粉を使用したティーバッグ専用の秘伝ブレンドです。
麦茶は、茶葉由来のカフェイン・カテキンを一切含まないノンカフェイン。少量でもカフェインを避けたいという方も安心してお飲みいただけます。
夏のイメージが強い麦茶ですが、ホットで飲む麦茶も香ばしく格別です。
原料は、厳選した国産大麦を100%使用している点もおすすめポイントです。
煎茶に玄米を配合した「玄米茶」も、茶葉の量が少なくなるため、カフェイン・カテキンの量をぐっと抑えられます。
味わいも、苦み・渋みが少なく、代わりに玄米の香ばしさが引き立つすっきりとした後味です。
食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれる玄米と、カテキンに代表される緑茶の栄養成分を一緒に摂取できる玄米茶は、近年アンチエイジングやダイエットのジャンルで注目を集めています。
玄米茶 (旭光/100g)
香り高く、すっきりした味わい。後味もしっかりしています。
宇治玄米茶(120g)
深みのあるすっきりした味わい
宇治玄米茶(120g)
際立つ香り高さと旨味
抹茶入玄米茶 [プレミアムティーバッグ]
(3g×12P)
TBG-5
八女産の一番茶のみを使用した、香り高くすっきりした味わい
ところで、「カフェインレス」「ノンカフェイン」「デカフェ」…様々な表現がありますが、これらの違いをご存知でしょうか。
主に麦茶やハーブティーのように、原料にもともとカフェインを含まないものを指します。
カフェインを一切含まない飲み物です。
デカフェは、もともとカフェインが含まれている飲み物からカフェインを取り除いたものです。
少量のカフェインが含まれています。
こちらも、カフェインが少し含まれているものを指しますが、元からカフェインが少ないものを指す場合と、デカフェ(カフェインを取り除いて少なくしたもの)と同じ意味でつかわれる場合があります。
眠気覚ましだけではなく、集中力のUPや、運動能力への良い効果も報告されているカフェインですが、近年のエナジードリンクブームで、過剰摂取によるカフェイン中毒などもニュースになりました。
厚生労働省などからカフェインの過剰摂取について注意喚起がされていますが、国内では、カフェインの感受性は個人差が大きいとして明確な摂取許容量の基準は発表されていません。
ここでは、参考までに海外の基準を見てみましょう。
悪影響のない最大摂取量 | 機関名 | |
---|---|---|
妊婦 | 300mg/日 | 世界保健機関(WHO) カナダ保健省 |
200mg/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) 英国食品基準庁(FSA) |
|
授乳中の女性 | 200mg/日*1 | 欧州食品安全機関(EFSA) |
健康な子供 及び青少年 |
3mg/kg 体重/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) |
2.5mg/kg 体重/日 | カナダ保健省 | |
子供(4~6歳) | 45mg/日 | カナダ保健省 |
子供(7~9歳) | 62.5mg/日 | カナダ保健省 |
子供(10~12歳) | 85mg/日 | カナダ保健省 |
健康な成人 | 400mg/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) カナダ保健省 |
*1 乳児に健康リスクは生じない。
今回ご紹介したお茶は、いずれもカフェインを少量しか含まない低カフェインなお茶です。
では、一般的な煎茶のカフェイン量はどうでしょうか?
文部科学省が公表している日本食品標準成分表によると、煎茶100mlに含まれるカフェインの量は20mg。これは、同じ量のコーヒーのおよそ3分の1です。
計測された煎茶の浸出条件は、「茶葉10gを90℃のお湯430mlで1分間」と記載があります。
実は、煎茶のカフェイン量は入れるお湯の温度で大きく差が出ます。
煎茶は飲みたいけど、カフェインの摂りすぎが気になる…そんなときは、ぬるめのお湯で淹れたお茶で一服してみてはいかがでしょうか。
※日本茶業学会「煎茶の浸出条件と可溶成分との関係」より